弊社では指定濃度で無水クロム酸を純水に溶解するだけでなく、別の酸性物質を混合した製造を依頼されることがあります。今回はそのようなケースのご説明をしたいと思います。
目次
クロム酸の濃度について
濃度はお客様のご指定により異なりますので、弊社の製品にも使用されている濃度を例に上げると、濃度は38%(無水クロム酸で500g/L)の溶解作業となり、かなりの高めの濃度となっています。
用途としては、金属表面処理に使用され自動車や建築関係など多岐にわたる業界で使われるような処理液です。
製造の流れ
基本的な流れとしては、お客様が指定された無水クロム酸を純水に溶かし、その後に別の酸を投入する形になります。
無水クロム酸を溶解
まず純水を張ったタンクに無水クロム酸を投入し溶解します。
弊社では局所排気装置を上下からダブルで吸引することで、粉塵状態が危険な無水クロム酸を安全に溶解すること可能としています。
酸を投入
クロム酸が溶解した後に75%硫酸など他複数の強酸を投入します。
クロム酸単体でも充分注意が必要ですが、クロム酸が含まれる混酸は、俗に『クロ混』と呼ばれ非常に高い酸化力があるため、取り扱いが一層厳重となります。
品質検査
製品を充填する前に、お客様がご指定した内容で品質検査を行います。
よく行われる検査としては、比重検査、クロム濃度検査などがございます。
検査結果を品質検査表としてお渡しもおこなっております。
充填
検査に合格した製品は、5~1μmのフィルターでろ過を行いつつ、指定の容器に充填をいたします。
なお、計量は重量、容量どちらも対応しております。(容量の場合は比重から容量を割り出し、計量を行います)
まとめ
簡単にではありますが、別の酸を含む場合のクロム酸溶解製品の製造の流れをご紹介しました。
クロム酸を扱う場合の大きな問題は、クロム酸事態が非常に危険であるということです。
自社でのクロム酸の取り扱いは極力減らしたいので弊社に委託したという企業様も実際にいらっしゃいました。
弊社は創立当初より、クロム酸の取り扱いを行っており、その危険性を十分理解すると共に、対策を行って参りました。
もし貴社でクロム酸を取り扱うことに不安を覚えるようでしたら、ぜひ弊社までご相談ください。