
以前に、化学研磨とはどういう処理なのか?ということについて簡単に説明させていただきました。
(詳しく知りたい方はこちらのリンクからどうぞ:化学研磨とは?)
化学研磨に興味を持たれた方の中には、実際に化学研磨を行う事で金属の表面がどのように変わるのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、化学研磨の前後で金属の表面がどのように変わるのかマイクロスコープで金属表面を拡大して観察してみました。
今回は画像多めの記事になっています。化学研磨に興味がある方はぜひ、最後までご覧になっていただけたら嬉しいです!
目次
化学研磨の処理工程
<脱脂 → 水洗>
化学研磨を行いたい金属(=素材:今回はSUS304という材質のステンレスを使用しています)を脱脂液に漬けて油汚れを取り除きます。
なお、脱脂液には弊社の薬品クリーナー108Gを使って行いました。
※クリーナー108Gの処理条件: 50g/L、60℃で10分処理
化学研磨処理前の素材
<化学研磨 → 水洗>
素材を化学研磨処理液に浸漬します。この時、化学研磨処理液は95~98℃と高温にしています。
この処理を行うことでバリを取る・表面に光沢を持たせてピカピカにするといったことが可能になります。
素材投入時(化学研磨前)
化学研磨処理中
<不動態化処理 → 水洗 → 乾燥>
化学研磨が終わった素材を硝酸(濃度約10%)に5分程浸漬する事で不動態化処理を行います。
その後、水洗を行ってから乾燥します。
化学研磨処理後の素材
化学研磨処理前後の比較(左:処理前、右:処理後)
表面観察
化学研磨処理後の素材をマイクロスコープで拡大して観察してみました。
100倍の倍率で見た素材の表面(左:処理前、右:処理後)
300倍の倍率で見た素材の表面(左:処理前、右:処理後)
どちらの倍率で観察しても、ザラザラだった表面が平滑化されていることが確認できます。
普段、私たちが見ているピカピカな金属はこんな風に表面が平滑になることで、光って見ることができるのですね。
まとめ
今回は化学研磨処理の前後の素材をマイクロスコープで観察してみました。
いかがだったでしょうか?
化学研磨について少しでも興味を持ってもらえたり、参考にしていただければ嬉しいです。
今回も、ここまでお読みいただきありがとうございました!
また、弊社ではSUS304、316といったステンレス向けの化学研磨剤(薬品)を取り扱っております。
お試しになりたい場合は、画面下部の"お問合せフォーム"からお問い合わせください。
なお本記事は以前にnoteに掲載していた記事を加筆・訂正したものになります。
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