黒色3価クロム化成処理について、よくご質問頂く内容を以下にまとめました。
基本
Q. 黒色3価クロム化成処理とはどのような処理ですか?
A. 黒色3価クロム化成処理とは電気亜鉛めっきの後処理方法の一つです。3価クロムを主成分とした化成処理剤で処理を行うと、黒色の皮膜となります。
Q. どのような工程になりますか?
A. 通常の電気亜鉛めっきの後処理工程と同じで、黒色3価クロム化成処理の処理工程には、本剤処理と仕上処理があります。
Q. ラック(静止)とバレル(回転)で液の種類は異なりますか?
A. 両方で使用可能な汎用製品もございますが、専用品をお薦め致します。
Q. "仕上げ"とはどのような処理ですか?
A. 本処理の後に行う処理で、耐食性、耐傷性、外観の向上を図ります。処理後の水洗処理は不要です。
Q. 浴種は何が最適ですか?
A. 電気亜鉛めっきにはジンケート浴、シアン浴、塩化浴の浴種があり、そのすべてに対応可能です。中でもジンケート浴が最適です。
薬品について
Q. 薬品の種類は何種類ですか?
A. 通常は化成処理皮膜を形成するベース剤と、黒色を出すための黒色化剤の2液で構成されています。また仕上剤は本剤と複数の添加剤から構成されているのが一般的です。
Q. コバルトは含まれていますか?
A. コバルトを含有する製品が一般的ですが、コバルトを含有していない製品もございます。
Q. ベーキング品でも黒くなりますか?
A. 処理条件を調整する場合もございますが、問題なく処理が可能です。
Q. 薬品を使用する際の注意点はありますか?
A. 全ての製品に製品安全データシート(SDS)の準備があります。そちらをご参照の上使用下さい。
運用について
Q. 他の後処理と比べて黒は難しいですか?
A. 他の後処理と同様で、基本条件を押さえていれば問題なく行えます。
Q. 他の後処理と比べてランニングコストはどの程度ですか?
A. カチオン電着塗装との比較で同等以下となっております。また耐傷性で優位です。鉄の黒染めとの比較ですと、耐食性で優位です。
Q. 必要な設備は何ですか?
A. 必須な設備として、以下が挙げられます。耐酸性処理を施した本処理槽と水洗槽、仕上処理槽の合わせて3槽とpH管理装置になります。推奨設備として、加温装置、冷却装置、エアー撹拌装置、遅行装置、乾燥装置、エアーブロー装置等になりますが、既存のめっき設備で十分対応可能です。
Q. どのような管理が必要ですか?
A. 仕上がりの外観の管理は必要となりますが、基本的な管理方法は他の後処理と同様です。
Q. 建浴は井戸水で問題ないですか?
A. 建浴の際は、水道水を使用することをお勧め致します。
Q. 再建浴の目安はありますか?
A. 基本的には、不純物濃度が上限を超えた場合に更新をご検討頂きます。
Q. 補給はどのように行いますか?
A. pH管理装置での自動補給を推奨しています。基本的に2液で一定の比率で補給致します。
Q. やるべき前処理はありますか?
A. めっき後の水洗と活性化処理(硝酸)になります。また、適切なめっき膜厚、適切な電流密度(低電流長時間)が肝要です。
Q. 良く発生する問題を教えてください
A. 緑シミ、たまりシミ、流れシミ、干渉色、色ムラなどが発生することがあります。
Q. 品物の保管方法を教えてください
A. ミストがかからない場所、高温多湿を避けて保管して下さい。
排水処理・法規制
Q. 排水処理はどのようにすれば良いですか?
A. 他の3価クロム化成処理(青色、銀白色など)と同様に中和凝集沈殿法での処理が可能です。
Q. 6価クロムの溶出が心配です
A. 弊社の製品では溶出の心配はありません。
Q. RoHS、REACH(SVHC)に対応していますか?
A. 弊社の製品ではすべてに対応済みです(2022年7月現在)。変更の際につきましては随時HPでご案内致します。※コバルト化合物の詳細についてはお問合せください。
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